2014-07-24

iTunesの『バックアップの暗号化』機能でiPhoneのデータを丸ごとバックアップ! — 機種変更や不慮の事故などで痛い目に遭わないために…

iPhoneなどのiOSデバイスのバックアップ、iCloudとiTunesのどちらで行ってますか? 数年前までは“母艦”と呼ばれるPCでこまめにやっていたものですが、現在はiCloudのみで行っている方も多いんじゃないでしょうか。iCloudは限られた情報しかバックアップしてくれません。機種変更や不慮の事故によるiPhoneの破損や紛失の際に、新しいデバイスでデータを復元しようとしても限界があります。つまり、すべての設定、パスワード設定などは元通りにはなりません。では、iTunesにバックアップしていればどうでしょう?


iTunesでの通常設定では、設定内容、メッセージの履歴、カメラロール、書類、保存されているゲーム、その他のデータをバックアップすることができます。けれど、デバイスと同期されるコンテンツ(映画、音楽、Podcast、Appなど)は含まれません。また、メールアカウント、Wi-Fiスポット、ウェブサービスなどのパスワードも保存されますが、新しいデバイスでは復元することができません。

でも、iTunesの『バックアップの暗号化』機能を使えば、メールアカウントなどのパスワードはもとより、丸ごと新しいデバイスに復元することができます。新型「iPhone 6」に乗り換える際も心配はいりません。アクティベーションをした後にパスワードを手動で設定する手間もかかりません。機種変更だけでなく、iPhoneの故障や紛失、データを消してしまった時などに備えて、『バックアップの暗号化』機能を使った定期的なバックアップを行いましょう。

iTunesで『バックアップを暗号化』


iTunesにiPhoneなどのiOSデバイスを接続して、[概要]タブにある「バックアップ」のオプション「バックアップを暗号化」機能を有効にすることで、パスワードでバックアップを保護します。この機能はバックアップを保護(暗号化)することで、キーチェーン (メールアカウントのパスワード、Wi-Fi パスワード、および Web サイトや一部の App に入力するパスワードなど)もバックアップ→復元されるようになります。新しいデバイスでのアクティベーションをする際も、メールアカウントのパスワードをはじめ、Wi-Fi、ウェブサイトや一部のAppに入力するパスワードも記憶しておけるようになります。


上図の例での「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェックを入れると、ポップアップ画面が表示され、「バックアップを保護するパスワード」の設定が要求されます。このパスワードは、バックアップから新しいデバイスなどにデータを復元する際や、暗号化の「有効/無効」の設定切り替え時に要求されるものとなります。忘れないために、パスワードを書き留めて置くなどして安全な場所に保管するようにしましょう。このパスワードを忘れると、バックアップからデータを復元できなくなります。

iTunesのバックアップ・データの保存先


iTunesでのバックアップの保存先は、使用しているコンピュータのOSによって異なります。iTunesの既定のバックアップファイルの保存先は以下の通りです。

  • Mac
  • ~/ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup/
    「~」はユーザのホームフォルダを表します。ホームフォルダに「ライブラリ」が表示されない場合は、「option」キーを押しながら「移動」メニューをクリックします。

  • Windows XP
  • ¥Documents and Settings¥[ユーザー名]¥Application Data¥Apple Computer¥MobileSync¥Backup¥
    「Application Data」フォルダにすばやくアクセスするには、「スタート」をクリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。「%appdata%」と入力し、「OK」をクリックします。

  • Windows Vista、Windows 7 および Windows 8
  • ¥ユーザー¥(ユーザー名)¥AppData¥Roaming¥Apple Computer¥MobileSync¥Backup¥
    「AppData」フォルダにすばやくアクセスするには、「スタート」をクリックします。検索バーで「%appdata%」と入力し、「Return」キーを押します。

iTunes『バックアップの暗号化』でバックアップされるもの


iTunesで『バックアップの暗号化』機能を使用した場合のバックアップの対象とされるデータ一覧です。パスワードを含めた以下のデータがバックアップされます。

  1. カメラロール (写真、スクリーンショット、保存した画像、撮影したビデオ)
  2. カメラが付いていないデバイスの場合、カメラロールは「保存された写真」と呼ばれます。
  3. 連絡先* とよく使う連絡先 (連絡先を定期的にコンピュータや iCloud などのクラウドサービスに同期してバックアップする必要があります。)
  4. カレンダーアカウントと照会したカレンダー
  5. カレンダーイベント
  6. Safari ブックマーク、Cookie、履歴、オフラインデータ、および現在開いているページ
  7. Web ページの自動入力
  8. オフラインの Web App のキャッシュ/データベース
  9. メモ
  10. メールアカウント (メールのメッセージはバックアップされません。)
  11. Microsoft Exchange のアカウント設定
  12. 通話履歴
  13. メッセージ (iMessageおよびキャリアのSMSまたはMMSの画像およびビデオ)
  14. ボイスメールトークン (ボイスメールのパスワードではなく、接続時の確認に使用されるものです。SIMカードに同じ電話番号が登録されている電話機にのみ復元されます。)
  15. ボイスメモ
  16. ネットワーク設定 (保存済みの Wi-Fi ホットスポット、VPN 設定、ネットワーク環境設定)
  17. キーチェーン (メールアカウントのパスワード、Wi-Fi パスワード、および Web サイトや一部の App に入力するパスワードなど)
  18. バックアップを暗号化する場合は、別のデバイスにキーチェーン情報を転送することができます。バックアップが暗号化されていない場合は、キーチェーンを復元できるのは同じ iOS デバイスだけです。暗号化されていないバックアップを使用して新しいデバイスに復元する場合は、これらのパスワードをもう一度入力する必要があります。
  19. App Storeで購入したAppのデータ (App自体と、そのtmpやCachesフォルダは除く)
  20. Appの設定、環境設定、書類などのデータ
  21. App内で購入したもの
  22. Game Centerアカウント
  23. 壁紙
  24. 位置情報の使用を許可した App および Web サイトの位置情報サービスの環境設定
  25. ホーム画面の配置
  26. インストールされているプロファイル
  27. バックアップを別のデバイスに復元するときは、アカウント、制限、またはインストールされているプロファイルで指定されるその他の情報など、インストールされている構成プロファイルは復元されません。ただし、インストールされているプロファイルに関連付けられていないアカウントや設定は復元されます。
  28. マップのブックマーク、最近の検索、およびマップに表示されている現在位置
  29. Nike+iPod の保存済みのワークアウトと設定
  30. 登録されている Bluetooth デバイス (バックアップを行ったのと同じ電話に復元する場合にのみ使用できます。)
  31. キーボードショートカットと保存されている変換候補
  32. 証明できない証明書を持つ信頼されたホスト
  33. Web クリップ

iTunesの『バックアップの暗号化』機能を使ったバックアップでは、各種パスワードを含めた、ざっと33項目のデータが保存されます。新しいiPhoneへの機種変更を含め、いざという時のためにもこのiTunesの『バックアップの暗号化』機能を使ったバックアップを定期的に行いましょう!


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▶︎ iTunes:iOS のバックアップについて

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